提案7:
校外学習に行こう
PCを使って、遠足、修学旅行、合宿等の事前事後学習をします。
第1章では事前学習についてお話します。
◎使うもの
・インターネット
・プリンタ
・電子メール
・紙資料、電話等
◎めあて
・情報の収集
・情報の取捨選択
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第1章 行き先はどんなところ?
§1 行き先調べ-1
■はじめに
「序章」でお話したように、このシリーズでは、架空の高校「辺留府高校」の修学旅行を追うフィクションの形式をとります。
辺留府高校は、東京都内にあるので、生徒たちは、旅行先の京都〜広島にはあまり詳しくありません。それどころか、各県がどのような位置関係にあるかということすら怪しい子も多いようです。
修学旅行の班分けで、「おいしいものとカワイイものが大好き!」という女の子が集まった「マリモ班」のメンバーで、白地図に正しく府県名を書き込めた子はいませんでした。
マリモ班は、行き先の京都〜広島について、県単位・地域単位でおおまかに、気候風土、歴史、文化などを知ることから始める必要があるようです。
●指導ポイント
「調べ物はすぐネット」という癖はつけさせないでください。
ブラウザで斜め読みする癖がつくと、まとまった量の文章――特に縦書きの文章――を読むのが苦手になってしまいますし、PCに必要な箇所だけを抽出してもらう癖がつくと、自分の目で全体を見渡す力がつかないからです。
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■まずは図書室・図書館へ 〜 マリモ班は地図帳からスタート
マリモ班は、社会科の授業で使う地図帳を見ることから始めました。良い選択です。
姫路市を岡山県だと思っていた子、尾道が広島県だと初めて知った子……と、その地域の方が聞いたら怒ってしまうような勘違いが続々と明らかに。
山陽新幹線が、大阪湾・播磨灘・瀬戸内海の海沿いを走っていることを今回始めて知った子、淡路島の大きさにびっくりする子もいました。
ネット上にも地図はたくさんあり、「何町何丁目何番地」を調べるなら、こちらのほうが手間がかかりません。
が、全体像を把握し、うろ覚えだったことを明確にするには、やはり紙の地図のほうが適しています。「パッと視覚に飛び込む情報」はとても有効。
ネット上の地図は今後、具体的に行き先を決め、見たい施設やお店を探すときに使うことになるでしょう。
■本とネットを行ったり来たり
マリモ班は地図帳を参考にしながら、別の本も見ることにしました。修学旅行の行き先は毎年同じですから、学校の図書室には、近畿・中国地方に関する本がたくさんあったのです。
観光ガイド本やタウン情報誌などのほか、地理学や郷土史の本もあり、どれから読めばいいのか分からないので、片っ端からパラパラめくります。
いよいよ本題の「県単位・地域単位でおおまかに、気候風土、歴史、文化などを知る」という作業に入ったわけです。
●指導ポイント
「次回までに調べておくように」という課題にしてしまうと、きちんと調べる子と人任せにする子に分かれてしまうので、あわただしくなりますが授業時間内に「調べタイム」を設けてください。
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そのうち、兵庫県の姫路城および、広島県の厳島神社と原爆ドームが世界遺産であることに気づいたメンバーがいました。
紙資料の長所は、このように「思いがけない情報が入る」という点です。 ピンポイントでネット検索していては、なかなか気づきませんし、仮にサイト内のどこかに書いてあったとしても、ブラウザは「パラパラめくる」「いくつも並べておく」というわけにはいかないのです。
さて、世界遺産に興味を持ったその生徒は、ほかにどんなものが世界遺産なのか知りたくなりました。
見たいものは「世界遺産リスト」。これだけ希望を絞り込んだのであれば、ネットで調べたほうが早いかもしれません。
●指導ポイント
「すぐネット」は困りますが、ネットの長所を利用しないのももったいないです。紙資料もネットも柔軟に使い分ける癖をつけさせてください。
これは、一見簡単なようですが、「自分が何を知りたいのか」を常に意識していないとできないので、なかなか難しいことです。
先生は、生徒たちが何を調べようとしているのかを把握し、適切なタイミングで紙からネット、ネットから紙へ誘導してあげてください。
先生にとっては大変な指導ですが、「ものを調べる」という習慣は一生の財産です。若いうちに身につけさせてあげましょう。
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さて、彼女がネットで「世界遺産/リスト」を検索したところ、上位に「社団法人日本ユネスコ協会連盟」の「世界遺産活動」のページが出ました。
ここで日本の世界遺産リストを見たところ、今回の修学旅行先に、世界遺産がたくさんあることが分かりました。「古都京都の文化財」「法隆寺地域の仏教建造物」「古都奈良の文化財」「姫路城」「原爆ドーム」「厳島神社」の6つです。
■世界遺産を見よう
各自が考えたテーマを報告しあう話し合いで、この生徒は「世界遺産を見よう」という企画を発表、賛成多数で可決しました。(旅行後のレポートも書きやすそうなテーマですね)。
上記の世界遺産のうち、「古都京都の文化財」は旅行1日目、「原爆ドーム」は旅行3日目の全体行動のルートに入っているので、2日目に行く必要はありません。また、「法隆寺地域の仏教建造物」と「古都奈良の文化財」は、時間制限を考えて今回は我慢。
というわけで、2日目は「姫路城」と「厳島神社」を見ることに決定。
「おいしいものが大好き」というメンバーは、姫路で城下町の和菓子、広島でもみじまんじゅうと広島焼きを食べることも忘れません。
マリモ班が考えた計画は以下のとおりです。
京都で解散したらすぐに新幹線に乗り、姫路で降りて姫路城を見学。 姫路では食事せず、城下町で和菓子を買い、広島までの移動の新幹線の中で味わいます。茶店でゆっくり食べたいところですが、時間を節約します。
広島駅で在来線に乗り換え、フェリーで宮島に渡ります。広島駅周辺あるいは宮島で、広島焼きを遅い昼食として食べます。厳島神社を見学し、もみじまんじゅうを買います。
次回は細かいタイムスケジュールを決めましょう。
かなりのハードスケジュールになりそうですが、マリモ班の生徒たちはうまく予定が立てられるでしょうか?
つづく
■大日本図書(株)による企画・編集/先生のための情報科の副教材
―高等学校「情報科」(A・B・C)の内容を網羅したソフトウェア集―
●”高校の情報科のための授業ネタ”は、毎月、第2週・第4週の金曜日にシリーズで掲載(隔週掲載)されます。次回の掲載は、6月8日(金曜)の予定です。シリーズは複数提案による長期・多回数の予定です。
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